連作障害について 1<原理と原因>

連作障害とは

まず連作とは「同じ場所で同じ野菜(または同じ科の野菜)を続けてつくること」を指します。

連作障害が進むと、品質低下や収量の減少につながってしまいます。

ナス科やウリ科、アブラナ科など特定の作物を、同じ場所で長年栽培していると生育が悪くなり、枯れてしまったりすることもあります。

この原因は前に作った野菜や使用した肥料により、土壌中の成分バランスの崩壊や病害虫の発生が主な理由です。また連作障害の出やすい野菜と出にくい野菜がありますので、下記の表を参考に栽培プランを立てましょう。


今回は、まず連作障害について原理と原因をご紹介していきます。

連作障害の原理

本記事では考えられる原因を挙げていきますが、それら単独で連作障害が生じるというわけではありません。

以下に紹介するような、いくつもの原因が合わさって生じるものと考えられています。


栄養の偏り

野菜が成長するには栄養が必要です。

野菜の種類が異なるように、野菜が必要とする栄養分は野菜によってそれぞれ異なります。そんな中、同じ場所で同じ野菜をつくり続けるとどうなるか考えてみましょう。

その野菜が必要とする栄養分だけが吸収され、土壌中にはその特定成分だけが不足した状態になります。

またその野菜が必要としない栄養分が土壌中に残ることにもなります。連作によって生じる栄養バランスの崩れが、生育障害を引き起こすものとして考えられています。


病害虫の増加

連作によって生じるのは栄養の偏りだけではありません。

土壌中に棲む微生物のバランスも崩してしまいます。特に病害虫の増加は、場合によっては土壌消毒が必要になってしまうため、非常に厄介な存在です。

野菜を狙う病害虫ですが、特定の野菜に特定の病害虫がつくことは多々あります。

連作してしまうと、その野菜を中心に発生する病害虫が集まり、繁殖し、密度を増していきます。

そうなるとその野菜に発生する病害被害は拡大する一方です。

病害虫も適した環境を選んで生育しますから、毎年異なる野菜を植えれば、病害虫の勢力が拡大するのを抑えることができます。


自家中毒を起こすことも

植物の中には、他の植物の生育を抑制する物質を出すものがあります。

微生物にも他の微生物や病原菌を寄せ付けないような抗菌物質を出すものがいますが、それに似た成分を植物も出します。

が、その成分濃度が高まると、他の植物に向けて発していた”毒”が自分にも向いてしまい、生育障害を引き起こすことがあります

次回は連作障害に負けない野菜づくりの栽培のコツをご紹介します。

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